注文住宅の工法って何があるの?種類と特徴について

注文住宅で家を建てる際には、間取りやデザインだけではなく家の工法を考えることも大切な工程です。工法とは、家の骨組をつくる方法を指します。
日本では住宅の工法の種類が多く、工法によって特徴が異なります。理想の住まいをつくるためにはどのような工法を選ぶべきなのでしょうか。

この記事では、注文住宅における工法の種類やそれぞれの特徴、工法を選ぶ際のポイントなどについてご紹介します。これから注文住宅で家を建てる方は、ぜひ工法選びの参考にしてください。

家にはどのような種類があるのか

家の工法を知る前に、まずは家をつくるための素材の種類からみていきましょう。
素材ごとに工法が異なるため、まずは素材選びから行う必要があります。
希望するマイホームのデザインや間取り、快適さを実現するには、素材選びからじっくり検討することが大切です。

(1)木造

日本では古くから木造建築が主流で、現在でも木造住宅が半数を占めているといわれています。木造は断熱性や調湿性が高いため、日本の高温多湿な気候に適しています
湿度を調整してくれる性質により、結露やカビ対策にもなります。また、他の素材に比べると材料費が安く、工期も短いため、建築コストを抑えやすいというメリットがあります。ただし、木材の種類や職人の腕によって品質にばらつきが生じる可能性があるというデメリットもあります。

(2)鉄骨造

鉄骨造は、柱や梁を鉄骨でつくる住宅になります。
鉄骨造には「軽量鉄骨造」と「重量鉄骨造」の2種類があります。戸建て住宅では軽量鉄骨造を採用することが一般的で、重量鉄骨造は高層マンションなど頑丈なビルに採用されることが多いです。
鉄骨造は強度が高いので、木造よりも柱の本数を少なく抑えることができ、広い空間をつくりやすいという特徴があります。開放感のある間取りをつくりたい方に向いているでしょう。また、木造よりも品質を一定に保ちやすいこともメリットの一つです。
一方で、鉄骨造は材料費が高く、工期も長くなるので、建築コストが高くなることがデメリットといえます。

(3)鉄筋コンクリート

鉄筋コンクリート造は、柱や梁などの骨組を鉄筋で組み上げ、その周りの枠組みをコンクリートで固める方法です。鉄筋がコンクリートによって補強されるというイメージです。
鉄筋コンクリート造は耐震性や耐火性、遮音性に優れているという特徴があります。
そして、鉄筋造と同様に木造よりもデザインの自由度が高く、開放的な空間をつくりやすいというメリットがあります。しかし、地盤改良から行わなければならないことや、材料費が高いため建築コストが高額になりやすいというデメリットがあります。

注文住宅における工法の種類

注文住宅をつくる素材について紹介しましたが、素材ごとに異なる工法が存在します。工法によって家の構造などに違いが出てくるため、工法の種類を知っておくことが大切です。
それぞれの素材における工法の種類を紹介します。

(1)木造


木造は日本の住宅で古くから採用されているため、さまざまな工法があります。
古来からの工法もあれば、新しい工法まで揃っており、それぞれ異なる魅力があります。

①木造軸組み
木造軸組みは日本の伝統的な工法で、在来工法とも呼ばれています。現在でも多くの木造住宅で木造軸組みが採用されています。
木の柱と梁で骨組みをつくり、地震に耐えられるように斜めの筋交いという材で補強する構造です。
木造軸組みは設計の適用力が高く、狭い敷地や変形した敷地にも対応できるという特徴があります。間取りの自由度も高く、リフォームや増築もしやすいというメリットもあります。
一方で、現場で職人が組み立てていく工法になるため、職人の技術に左右されてしまうことがデメリットといえるでしょう。

②2×4(ツーバイフォー)工法
2×4(ツーバイフォー)工法は、北米から輸入された工法です。2インチ×4インチの木材を使用することからツーバイフォー工法と呼ばれています。
木造軸組みのように柱と梁で枠組みするのではなく、床や壁、天井の面全体で建物を支える箱型の構造になっています。2×4工法は寸法や釘が規格化されているため、職人の力量に左右されることなく品質の高い家を建てられるというメリットがあります。
また、箱形の構造なので横揺れを分散させることができ、耐震性能に優れています。枠組材が空気の流れを遮断するため、耐火性も高いといえます。
一方で、長方形がベースになるので開口部を広く取ることが難しく、間取りの自由度が低くなりやすいというデメリットがあります。

③木造ラーメン工法
柱と梁で組まれた構造体の接合部分を溶接などで一体化させ、強靭な「枠(ラーメン)」を形成する工法です。ドイツ語で「額縁」を表す「Rahmen」が語源となっています。
もともと高層建造物の建築で採用されていた鉄骨ラーメン工法を木造に取り入れた工法なので、3階建てなど鉄筋造でしかできなったことが木造で実現できるようになります。枠がしっかりしているので壁や柱を減らせることから木造でも開放感のある空間や大きい窓を設置できます。
ただし、ラーメン工法は柱と梁が一体化するので建物全体で地震の揺れに耐えることになり、想定以上の力が加われば損傷が生じる可能性があります。
また、木造軸組みや2×4工法のように一般的な工法ではないため、対応できる施工会社が限られてくることもデメリットといえるでしょう。

④木造軸組パネル工法
木造軸組パネル工法は、日本古来から行われている木造軸組と北米で開発された2×4工法を組み合わせた工法です。
木造軸組と同様に柱と梁で枠を組み上げ、筋交いを使用せずにパネルを張ることや、筋交いにパネルを張りつけることで、「面」で家を支えます。そのため、耐震性が高いというメリットがあります。また、パネルによって外気を遮断して断熱性を高められるため、光熱費を抑えることができます。
ただし、木造軸組パネル工法は2×4工法のように工法が規格化されていないため、施工会社によって品質に差が生じることがあります。

(2)鉄骨造(S造)


柱や梁などの骨組を鉄骨でつくる住宅は、近年増えてきています。
鉄骨造では鋼材の厚みで軽量鉄骨と重量鉄骨に分けられるだけではなく、工法も2種類に分けられます。

①鉄骨軸組工法
木造軸組工法を鉄骨に置き換えたもので、柱や梁などの骨組を鉄骨で構成する方法です。
鉄骨の筋交いをブレースと呼ぶため、「ブレース工法」とも呼ばれています。住宅や賃貸アパートの建築などに採用されることが多いです。
木材とは異なり柱や梁は工場でつくられるため、品質が安定しているという特徴があります。また、組み立ては木造軸組と同じですが、鉄骨ではシロアリ被害を抑制できることが大きなメリットだといえます。
一方で、木造よりも加工に手間がかかるため、建築費用が高くなることがデメリットです。
金属なので防錆処理をしなければサビが発生するため、こうした加工も費用の増加につながります。

②鉄骨ユニット工法(ラーメン構造)
工場で生産された鉄骨の枠組ユニットを現場で組み立てる方法です。
建築現場で構造を組み立てていくことが一般的ですが、ユニット工法では外壁や窓なども含めてボックス単位で工場にて仕上げられているため、工期が短く済むことや品質の安定性がメリットになります。
また、ユニット工法は柱と梁を強力に接合するため、軸組工法や2×4工法のように耐力壁が必要ありません。そのため、非常に大きな空間をつくることができます。
ただし、ユニットが運び込めないような狭い道理に面している土地などではユニット工法での建築が難しいです。

(3)鉄筋コンクリート造(RC)工法


鉄筋コンクリート造(RC)工法は、柱や梁などの骨組を鉄筋でつくり、型枠にコンクリートを流し込む方法です。鉄骨とコンクリートの長所が生かされ、非常に強固な建物をつくることができます。
コンクリートは火災や外気、雨水から鉄筋を守る役割を担い、建物の耐久性を高めます。また、木造に比べると遥かに遮音性が高いという特徴があります。
ただし、コンクリートは熱を通して内側にため込む性質があるため、夏は暑く冬は寒くなりやすいです。そのため、外断熱をする必要があります。
コストも非常に高くなりやすいため、個人の注文住宅では採用されることが少ないといえます。

(4)鉄筋鉄骨コンクリート(SRC)造


鉄筋コンクリートと鉄骨を組みあわせた方法です。鉄骨の柱のまわりに鉄筋を組み上げ、コンクリートを施工します。
そのため、より強度の高い建造物をつくることができ、大型マンションやビルなどに採用されることが多いです。強度が高まるとともに変形にも強くなり、耐震性を高められます。
ただし、鉄筋鉄骨コンクリート造は工程が複雑なので工期が長期化しやすく、建築コストも高くなります

(5)プレハブ工法


プレハブ工法は、あらかじめ工場で作られた壁や床などの部材を現場で組み合わせる工法です。品質を一定に保ちやすく、工期も比較的短くなることがメリットです。
プレハブ工法は材質によって異なる特徴があります。

①木質系
工場で建物の主要構造となる床や壁などの木質パネルを生産し、現場で組み立てます。
工法としては2×4工法と同様になりますが、木質パネルには断熱材や下地材までが入っているという違いがあります。
柱や梁などの部分には防腐や白蟻防止処理も行われており、合理的に施工できることがメリットです。木質系プレハブ工法では地震の揺れを家全体に分散させられるため、耐震性に優れているという特徴があります。

②鉄骨系
工場で生産された鉄骨による柱や壁のパネルを現場で組み立てます。
骨組み材料には軽量鉄骨が採用されることが多く、ハウスメーカーの提供するプレハブ住宅の主流だといえます。工場での生産時点で防錆対策が施されているため、鉄骨のデメリット部分が補われます。

③ユニット系
工場で柱と梁で組み上げた箱形のユニットを生産し、現場で組み立てます。
家作りの8割近くを工場で終えているため、非常に短い工期で完成できるというメリットがあります。
工期が短いのでコストも削減することができますが、品質はしっかり安定しています。ただし、現場にユニットを運び込むには広い道路が必要になり、クレーンを動かせる敷地の大きさも必要です。

④コンクリート
工場で生産された鉄筋コンクリートのパネルを現場で組み立てる方法で、プレキャストコンクリート工法とも呼ばれます。
現場で鉄骨を組み立ててコンクリートを流し込む工法に比べると、天候の影響を受けずに安定した施工を実現できます。効率良く施工できるため、一般的なコンクリート住宅よりも建築費用を抑えられることがメリットです。
ただし、コンクリートパネルは規格化されているため、住宅のデザインの自由度は低いといえます。


※情報引用元 ポラス株式会社

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