高気密住宅で石油ストーブの使用はNGなのか

高気密住宅は、外気の影響を受けにくく、冷暖房効率の良い家として知られています。

メリットは数多くありますが、石油ストーブが使えないというのは本当なのでしょうか。

結論からいえば、高気密住宅で石油ストーブの使用はおすすめできません。

この記事では、その理由と適切な暖房器具の選び方、暖房器具の使い方の注意点まで詳しく解説します。

ぜひ参考にして、暮らし心地の良いマイホームづくりにお役立てください!

高気密住宅とは?

高気密住宅とは、その言葉のとおり家の外部と窓や床、壁や天井との間に発生する隙間が少なく、気密性の高い住宅をあらわす言葉です。

一般的に、質の良い建築素材や断熱材、気密テープ、防湿シートなどを使って実現されます。

高気密住宅の大きな特徴は、外部との隙間が少ないことにより、暖気や冷気を逃すことが少なくなり、外気の影響を受けにくい点。

そのため、冷暖房によって快適になった室内の温度を保ちやすく、省エネが可能となるメリットが期待できます。

高気密住宅で石油ストーブを使ってはいけない理由

高気密住宅で石油ストーブを使ってはいけない理由としては、一酸化炭素中毒のリスクや結露が主なものとして挙げられます。

一酸化炭素中毒のリスクがある

室内の気密性を追求した高気密住宅は、極端ないい方をすると室内を密閉しているような状態となります。

一般的な住宅であれば家の隙間から換気がなされるため、石油ストーブの使用中はある程度の換気に気を遣うだけで問題ありません。

一方で、高気密住宅では隙間がほぼないため換気が十分になされず、一酸化炭素中毒を起こすリスクが大きくなってしまいます。

高気密住宅にも24時間換気システムはありますが、それだけでは換気には不十分。

石油ストーブを安全に使用するためには30分に1回以上の頻度で換気が必要です。

ただし、30分に1回の換気では効果的に部屋を暖めることがむずかしいため、あまりおすすめできません。

結露が起きやすくなる

石油ストーブは空気を燃焼させるときに水蒸気を発生させるため、室内を加湿している状態になります。

これが、石油ストーブを使用したときに室内に結露が発生しやすくなってしまう理由です。

部屋の加湿は良いことと思われるかもしれませんが、結露が起こることによって木材腐朽菌が発生し、木造住宅には大きなダメージを与えてしまいます。

また、壁や床の汚れを招きやすいこと、カビやダニの繁殖による健康被害も起きやすくなることなどもデメリットといえるでしょう。

高気密住宅におすすめの暖房器具

高気密住宅で石油ストーブをおすすめしない理由をご紹介しましたが、おすすめの暖房器具はどのようなものでしょうか。

エアコン、床暖房など、候補となる暖房器具をご紹介します。

エアコン

高気密住宅は密閉度が高いため、冷暖房効率がよくなるメリットがあります。

そのため、エアコンだけで暖房をまかなえるケースも多いでしょう。

おすすめは、温度の自動調節ができるタイプです。

一度部屋全体が暖まったら、その暖気を逃しにくいため、自動調節できるタイプであれば省エネが実現しやすいでしょう。

ただし、エアコンは空気が乾燥しやすいデメリットもあるため、気になる方は湿度調節もできる換気システムを採用しておくとカバーしやすくなります。

温水式床暖房

高気密住宅では、温水式床暖房もおすすめです。

床暖房には電気式と温水式がありますが、電気式は床下に設置した電熱線に通電させて部屋を暖める方式、温水式はガスで温かくした水を床下のパイプに通すことによって部屋を暖める方式です。

温水式の床暖房であれば、まんべんなく部屋が暖められ、低温やけどをしたり電磁波の影響を気にしたりなどの心配もありません。

暖まるまで時間がかかるデメリットもありますが、電気ストーブなどを併用すると快適に過ごしやすくなります。

FF式ファンヒーター

FF式ファンヒーターのFFとは、forced draft balanced flueつまり強制給排気式のことをいいます。

FF式の場合、給排気筒を通して排気ガスを外に出すため、高気密住宅でも一酸化炭素中毒になるリスクがなく、安心して使用できます。

ただし、給排気筒の穴をあける必要があるため住宅の気密性が落ちる点と、一度設置場所を決めると動かせない点はデメリットといえます。


※情報引用元 ポラス株式会社
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