注文住宅の建築費は?相場や価格帯による違いをご紹介!

「注文住宅を建てたいと思うけれど、一体どのくらいの費用がかかるのだろう」と疑問に思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
「1,000万円台でも建てられる」という話がある一方で、「建築費だけで1億以上」という豪邸も存在するように、注文住宅の建築費はどんな家を建てるかによって大きく変わるものです。
では、予算によって建てられる家はどのように変わるのでしょうか。また、注文住宅の建築費の相場はいくらで、建築費以外にかかる費用はどのくらいなのでしょうか。

今回は、注文住宅の建築費について解説します。建築費の相場や建築費以外にかかる費用、価格帯による違い、コストを抑えるためのコツなどについても説明しますので、ぜひ参考にしてください。

 

注文住宅の建築費の相場

そもそも、注文住宅の建築費の相場はどのくらいなのでしょうか。また、建築費はどのような要素によって変動するものなのでしょうか。
注文住宅の建築費の相場と価格差が生じる要素、相場などについて説明します。

(1)建築費は坪単価で表される

坪単価とは1坪当りの建築費のことで、建築費はこの坪単価で表されることが多いです。
坪単価は、「建築費(本体工事費)÷延べ床面積」の計算式で算出されます。つまり、1階20坪+2階20坪=延べ床面積40坪で、建築費が2,000万円だった場合、坪単価は50万円ということになります。
坪単価は施工会社ごとに異なりますが、この坪単価を計算することにより、その会社の建築費をある程度把握することができます。
ただし、同じハウスメーカーが手掛けた同じ広さの家の建築費が常に同じになるわけではありません。建築費は単純に広さだけで決まるものではないからです。

(2)広さ以外で建築費に影響する要素

広さ以外で建築費に影響する主な要素として、以下のようなものがあります。

① 設備
キッチンやバスルーム、洗面台などの設備にかかるコストは、サイズ、メーカー、グレードなどによって大きく変わります。
また、注文住宅を建てるにあたって、床暖房、全館空調、太陽光発電パネルなどの設備を希望される方もいらっしゃるかと思いますが、こうした設備を導入すれば、当然その分のコストが加算されることになります。

② 間取り
間取りによっても建築費は変わります。
例えば、部屋数が多ければ、ドアや壁材、壁紙が多く必要となるためコストが上がります。
また、上がり框の和室、スキップフロア、ロフトなどのおしゃれな間取りを取り入れると、コストアップにつながる可能性が高いです。
平屋は二階がない分、コストが抑えられそうなイメージがありますが、実際は坪単価で見ると割高になる傾向にあります。2階建てに比べて床面積は狭くなる一方、基礎部分や屋根部分は大きくなるからです。

③ 地域
同じハウスメーカーで同じような間取りの家を建てた場合でも、地域によって価格が変わることがあります。
この理由としては、建材の仕入れルート、輸送コスト、人件費などの違いなどが考えられます。

④ 時期
建築費は上記のような条件以外に、需要や為替の変動にも左右されます。そのため、1カ月前と現在では同じ価格ではないということもあります。
また、ハウスメーカーによっては、決算期に大きな値引きを行うことがあり、この時期に契約すると通常よりお得な価格になるということもあるようです。

(3)最近の注文住宅の相場

前述した通り、注文住宅の価格は広さを始めとした様々な要素によって変動しますが、一般的な住宅の相場はどのくらいなのでしょうか。
国土交通省の令和3年度の住宅市場動向調査報告書によると、注文住宅の土地購入資金を除いた住宅建築資金の全国平均は3,459万円、延べ床面積は120.7㎡でした。

注文住宅を建てる際の費用

実際に注文住宅を建てる際には、ハウスメーカーなどが提示している建築費(本体工事費)のほかにも、さまざまな費用がかかります。
注文住宅建設を建てる際にどのような費用がかかるのか具体的に説明します。

(1)建築費に含まれる費用

ハウスメーカーなどが坪単価で表す建築費とは、一般的に本体工事費のことをいいます。
本体工事費とは家を完成させるための費用であり、以下のようなものが含まれます。
・躯体工事費(建物の基礎、柱、梁、床、壁などの骨組みをつくる工事)
・仕上げ工事費(外壁塗装、床、壁紙など内装)
・設備工事費(建具・設備の取り付け、電気・水道工事など)
上記の工事によって建物はほぼ形になりますが、まだ完成ではありません。

本体工事費は家を建てる総費用の70%程度といわれています。本体工事費だけで家づくりの予算を見積もると資金不足になるため注意が必要です。

(2)建築費に含まれない費用

建築費(本体工事費)に含まれない家を建てるための費用には、どのようなものがあるのでしょうか。
建築費に含まれない家づくりの費用について説明します。

① 土地代と土地関連経費
土地を所有していない場合は、まず土地を取得しなければなりません。
土地を取得する際には、土地そのものの費用以外に以下のような費用がかかります。
・不動産会社などに支払う仲介手数料
・土地売買契約書に貼り付ける印紙代
・土地の所有権登記に関連する登記費用
・固定資産税など

② 付帯工事費
付帯工事費とは、本体工事費に含まれない家の工事費のことです。
家づくりの費用の中で、付帯工事費が占める割合は15~20%程です。土地代や本体工事費の次に大きい費用となります。
付帯工事には以下のようなものが該当します。
・駐車場や庭、塀、門などの家の外回りの工事費
・ガスや給排水の引き込みのための工事費
・冷暖房設備・照明器具・カーテンレールなどの取り付け工事費
・特注家具の制作費

③ 諸経費
諸経費は総費用の中の10~15%程を占めるものです。
諸費用の内訳は個人の事情によって変わりますが、例として以下のようなものが挙げられます。
・住宅ローン関連
・建築確認申請
地鎮祭上棟式
・近隣へのあいさつ、現場への差し入れ
・家具やカーテン、家電などの購入
・引っ越し代

(3)資金計画は総費用で考えること

このように、家づくりは建築費だけで済むものではありません。
後から資金が足りなくなるといった事態を避けるためにも、資金計画は上記のような項目も含めた総費用で考えるようにしましょう。

価格帯別、建てられるのはどんな家?

予算によって建てられる家はどう変わるのでしょうか。
価格帯別に、どのような家が建てることができるのか説明します。

(1)1,000万円台の家

建築費1,000万円台の家は、「ローコスト住宅」と呼ばれています。
ローコスト住宅の主な特徴は以下のとおりです。
・間取りなど家の形状がシンプルである
・建材や住宅設備のグレードは控えめ
・全体的に選択肢が少なく、打ち合わせ回数も少ない
「こだわりの注文住宅を建てたい」という方には物足りないと思いますが、「できる限り少ない費用で家を建てたい」という方には向いているでしょう。

(2)2,000万円台の家

2,000万円台の予算で注文住宅を考えた時、2,000万円台前半なのか後半なのか、建築費だけなのか建築関連費用全て混みなのかによって、建てられる家は大きく変わります。
2,000万円台前半の建築費、または建築関連費用の全てを2,000万円台に収めたい場合は、予算1,000万円台と同じくローコスト住宅が現実的でしょう。
2,000万円台後半、または建築費だけで2,000万円台という場合であれば、大手のハウスメーカーなどを利用できる可能性があります。
ただし、2,000万円台の予算は最近の相場感としては決して潤沢な方ではないため、全ての希望を盛り込むことは難しいでしょう。予算内でできる限りの希望を叶えたい場合は、優先順位を明確にしてメリハリのある予算配分を行うことが大切です。

(3)3,000万円台の家

3,000万円台の予算についても、2,000万円台の場合と同様に、3,000万円台前半か後半か、建築費だけなのか本体工事費だけなのかによって建てられる家は変わります。
全ての予算を建築費に回すことができる場合、大手ハウスメーカーを利用した上で、住宅性能や内装、設備についてもある程度の希望を盛り込むことが可能でしょう。
ただし、欲張りすぎると予算オーバーになるので注意が必要です。

(4)4,000万円超の家

建築費だけで4,000万円超の予算であれば、潤沢な方であるといえると思います。
一般的な面積の住宅であれば、それなりにこだわった住宅を建てることができるでしょう。
建築費だけで5,000万円台以上かけられるのであれば、かなりこだわった家を建てることができますし、本当に資金に余裕があり予算に上限を設けなくてよい場合は、思い通りの豪邸を作ることもできます。
ただし、建設費にお金をかけても売却時にはあまり評価されない可能性があるという点には注意が必要です。豪華な設備の凝った豪邸が安値で販売されているのを見かけたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
また、広ければ当然光熱費も高くなりますし、固定資産税や保険料も高くなります。さらに高価な設備は、故障した時の修理代や交換代に高額な費用がかかります。建設にお金をかけた家は、ランニングコストも高くなることが多いという点に注意しましょう。

コストを抑えて理想の家を建てるコツ

コストをなるべく抑えた上で、理想の家を建てるにはどうすればよいのでしょうか。

(1)建設会社選びは慎重に

コストを抑えたい場合、建築会社選びは慎重に行うようにしましょう。
建設会社を比較する際は、まず候補と考えている複数の建設会社に見積りを依頼します。複数の候補の中から、単純に最初の見積りの価格が低い会社を選ぶのではなく、その見積りに何が含まれていて、他にどのような費用がかかるかを必ず確認しましょう。また、自分たちが希望するオプションを盛り込んだ時に、どのくらい追加費用がかかるかなど、実際に必要となる費用をしっかりと確認し、事前に把握した上で選ぶことが重要です。

(2)間取りは極力シンプルに

前述した通り、間取りによってもコストは変わります。
基本的に、間取りは極力シンプルにすることがコストを抑えるためのポイントです。凝った間取りにすれば、それだけ手間がかかり、コストは上がると考えた方がよいでしょう。
特にコストダウンにつながる間取りの工夫としては、以下のようなものがあります。
・水回りを1カ所にまとめる
・トイレの数は一つにする
・廊下を短くする(廊下なしにする)
・部屋数を減らす
・収納の数を減らす(扉を付けない)

(3)こだわらない部分を作る

こだわりたい部分があれば、当然その分のコストは上がります。限られた予算内で理想の家をつくるためには、こだわりたい部分を諦めるのではなく、こだわらない部分を作るようにしましょう。
例えば、「キッチンにはこだわるがバスルームにはこだわらない」、「断熱性にこだわる分、家の総面積は小さくする」など、こだわらない部分を作ることで、その部分にかかるコストを抑えられます。

(4)外構工事は安く仕上げる

外構工事とは、庭や駐車場、塀、門など家の外回りに関する工事のことです。前述した通り、この部分はハウスメーカーの本体工事費に含まれていません。
外回りをどのように仕上げるかによってコストが大きく変わります。こだわらないのであれば、できるだけシンプルに最低限の工事で抑えるようにしましょう。
この外構工事は、住宅建築を行ったハウスメーカーに依頼する方も多いですが、その場合割高になる傾向があります。コストを抑えたい場合は、外構工事を専門とする業者に別途依頼することをおすすめします。

(5)DIYという手段も

自分で大工仕事をするDIYもコストダウンにつながります。
電気工事の資格保持者や大工経験があるなどの特殊技能を持っていないと難しいと感じるかもしれませんが、初心者にもできることはあります。例えば、壁や床などの内装や棚などの家具作り、庭づくりなどは、初心者でも対応できます。
大きなコストカットはできませんが、DIYに自信がある方やチャレンジしてみたいという方は挑戦してみてはいかがでしょうか。


ポラスグループは豊富な実績と確かな技術でお客様に最適な住宅を提供しています。
デザイン・テクノロジーを重視した住まい、国産ヒノキや高断熱・高耐震の住宅、おしゃれなデザイナーズ住宅やセレクト住宅、建築条件付土地分譲などポラス(POLUS)の6つのブランドが楽しい家づくりをサポートします。
埼玉・千葉・東京の注文住宅・建て替えはポラスグループへ。