モデルハウスとは?建売との違いも解説

戸建ての家の購入を検討する際、まずはモデルハウスを見学に行く方も多いと思います。
モデルハウスは住宅展示場にあることが多いですが、分譲地の中にモデルハウスがあり、近隣の家のイメージを確認できる場合もあります。このようなモデルハウスが売りに出されているのを見たことがある方もいらっしゃるかもしれません。
モデルハウスと建売物件は似ているようにも思えますが、どのような違いがあるのでしょうか。

今回は、モデルハウスと建売物件との違い、モデルハウスを購入する場合のメリットとデメリット、建売物件を購入する場合のメリットとデメリットについても説明します。

 

モデルハウスとは

そもそも、モデルハウスとはどのようなものなのでしょうか。

(1)見学してもらうためのサンプル物件

モデルハウスとは、ハウスメーカーなどが、販売促進やPRを目的として建設した展示用の住宅のことです。購入希望者などに対し、自社の住宅の設備や機能、特徴などを、実際の家を見学してもらいながら説明するために使用されます。
類似した用語として「モデルルーム」がありますが、こちらはマンションなど集合住宅の販売促進のための展示用の部屋のことをいいます。

(2)住宅展示場に作られる場合

モデルハウスは、住宅展示場に作られることが多いです。住宅展示場は、複数のハウスメーカー工務店のモデルハウスが一つの場所にまとめて建設され、来場者が自由に見学することができる施設です。主に注文住宅の建設を検討されている方が、家づくりの参考やハウスメーカー選びのために来場します。一度に複数のハウスメーカーのモデルハウスを見学できるため、比較しやすいというメリットがあります。

(3)分譲住宅地に作られる場合

モデルハウスは住宅展示場以外に、分譲地の一角に作られることもあります。
分譲地とは不動産会社などが区画整理を行い、宅地用に販売している土地のことをいいます。分譲地に作られるモデルハウスは、同じ分譲地内の建売物件と似た間取りや設備で作られ、購入希望者が見学するために利用されます。

(4)後日販売されることも

分譲地に作られたモデルハウスは、分譲地という宅地に建てられているため、展示期間が終わった後はそのまま販売されることが多いです。
住宅展示場にあるモデルハウスは、基本的に展示期間後は取り壊されることになりますが、別の土地に移築する形で販売されるケースもあります。

建売住宅とは

前章ではモデルハウスについて説明しましたが、一方の建売物件とはどのようなものなのでしょうか。建売物件の概要について説明します。

(1)土地・建物セットの新築住宅

建売物件の一番の特徴は、土地と建物がセットで販売されている点です。建物はすでに完成しているケースと建設予定や建設中であるケースがありますが、中古物件ではなく、新たに建設された新築物件であることも特徴の一つです。

(2)分譲住宅と建売物件は同じもの?

分譲住宅とは、分譲地という不動産会社などが1区画を買い取って区画整理を行った上で宅地として販売する土地に建てられた住宅のことをいいます。
分譲地は、一般的に土地のみではなく、建物とセットで販売されることが多く、未建設の場合でも施工会社や期限が指定されています(建設条件付土地)。こうしたことから、新築の分譲住宅は建売物件であることが多いです。
ただし、中には建設条件のない分譲住宅地もあるため、土地だけ購入して注文住宅を建てるというケースや、分譲住宅地ではない1区画の宅地に建設される建売物件もあるため、必ずしも分譲住宅イコール建売物件というわけではありません。

(3)モデルハウスとの違い


モデルハウスと建売物件の違いは、モデルハウスが見せるためのサンプルであるのに対し、建売住宅はあくまで人が住むための家であるという点です。
住宅展示場のモデルハウスのほとんどは、配管が通っておらず、ガスや水道は使えません。また、複数の見学者が同時に入場することを想定して、全体的に実際の家より大きめに作られています。
一方、建売物件は、人が住むための家なので、ガスや水道などのライフラインが最初からしっかりと作られています。また、サイズ感なども宅地に合わせて作られているため、一般的なサイズです。
分譲住宅地にあるモデルハウスの場合、後日そのままの形で販売することを想定しているため、建売物件と同じ仕様で作られていることが多いです。また、建売物件もオープンハウスとして、購入希望者の見学を受け入れることもあります。

モデルハウスを購入するメリットとデメリット

モデルハウスは前述した通り、後日販売されることがあります。モデルハウスを住居として購入する場合、どのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか。

(1)モデルハウスを購入するメリット

モデルハウスを購入するメリットは、主に以下のようなことがあります。

① 割安なことが多い
モデルハウスは、同クラスの新築物件と比較すると、割安な価格で販売されることが多いです。破格と思えるような価格で販売されることもあります。

② 家具などが付いている
モデルハウスは展示の際に配置していた家具や家電、照明などが付いた状態で販売されることが多いです。通常は、引っ越しの際、新居に合わせた家具や家電を調達するために、コストや手間がかかります。初期費用を抑える意味でも、家具が付いていることは大きなメリットといえるでしょう。

③ 見たままのものを購入できる
注文住宅や未建設の建売住宅は写真や図面しか見ることができないため、実際に完成した後でイメージが違ったというケースが少なくありません。
しかし、モデルハウスであれば現物を見た上で購入することができるため、そのような心配はありません。

④ すぐに生活を始めることができる
モデルハウスを購入した場合、すぐに入居することが可能です。特に家具などが付いているモデルハウスであれば、わずかな荷物を運び入れるだけで新生活をスタートすることが可能でしょう。

(2)モデルハウスを購入するデメリット

モデルハウスを購入するデメリットにはどのような事があるのでしょうか。

① 中古物件である
モデルハウスは人が住んでいたわけではありませんが、建設されてから一定期間が経っていること、またその間に大勢の人が立ち入っていることなどから中古物件となります。
人が生活していない分、通常の中古物件よりきれいであるように思えるかもしれませんが、普通の家より大勢の人が行き来しているため、床や壁に傷があることや、水回りに使用感がみられる可能性があります。
また、建設から1年以上経過している場合、住宅瑕疵担保責任保険に加入できない可能性があることにも注意が必要です。

② カスタマイズできない
建設前の建売物件の場合、間取りや設備など、ある程度のカスタマイズが可能なこともあります。しかし、モデルハウスの場合は、完成された住宅を購入する形になるため、カスタマイズはできません。

③ 人気の物件は抽選になる
モデルハウスは、建売物件より数が少ないです。また、前述したようなメリットに魅力を感じる方も少なくないため、一つのモデルハウスに対して、購入希望者が複数現れるという可能性があります。
これはモデルハウスに限らず建売やマンションでも同じですが、人気のある物件は抽選販売となるため、希望しても購入できるとは限りません。

④ 住宅展示場のモデルハウス購入は注意が必要
住宅展示場のモデルハウスは、一見豪華で設備のグレードも高いため、魅力的に思えるかもしれませんが、購入する際は以下のような注意点があります。
・土地を用意しなければいけない
・移築にはリスクが伴う
・住み心地が良いかは不明

住宅展示場のモデルハウスの場合、住宅展示場は宅地ではないため、基本的に別の土地に家を移築する形となります。そのため、土地は購入するなどして別途用意しなければなりません。さらに、移築の際は家を一度解体して運ぶことになりますが、解体や運搬時に建材や設備を傷めるリスクがあります。
また、住宅展示場のモデルハウスは、基本的に見栄え第一に作られているため、実際に住んでみると使い勝手が良くない可能性があります。

建売物件を購入するメリット・デメリット

建売物件を購入する場合は、どのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか。

(1)建売物件を購入するメリット


建売物件を購入するメリットとしては、以下のようなことが挙げられます。

① 土地と建物がセットになっていること
建売物件は土地と建物がセットになって販売されています。そのため、注文住宅のようにまず土地を購入し、建物を建設する、という手順を踏むことなく、すぐに土地と建物を手に入れることが可能です。土地探しや住宅建設の打ち合わせなどに時間をかけることなく新築の家が欲しいという方にとっては、大きなメリットといえるでしょう。

② 比較的手頃な価格で購入できる
建売物件は比較的手頃な価格設定であることが多いです。これは、需要の問題もありますが、似た規格の建売住宅を複数建設する場合などは、建材などまとめて仕入れるため、通常より安価に調達できるためでもあります。そのため、土地を購入し、同じような注文住宅を建てるよりもコストを抑えられる可能性が高いです。

③ 建設済みの場合、すぐに入居できる
すでに建設済みの建売物件の場合、購入すればすぐに住み始めることができます。モデルハウスのように家具は付いていなくても、ガスや水道などライフラインについては手続きさえ行えばすぐに使うことができます。また、すでに建設されている建売物件の場合、購入前に実物を見ることができるという点もメリットといえるでしょう。

④ 建設前ならカスタマイズできる場合も
建設前で売り出されている建売物件の場合、ある程度カスタマイズが可能なこともあります。大きな間取り変更などは難しいかもしれませんが、壁紙や床材や設備など、決められた範囲内から好みに合わせて選択することができるセミオーダー形式の建売物件も存在します。

(2) 建売を購入するデメリット

建売物件のメリットを説明しましたが、逆にデメリットとしては、どのようなことがあるのでしょうか。

① 外観や間取りなどを変更できない
建売物件は基本的に外観や間取りの変更はできません。気に入らない部分については、後から自分でリフォームするなどして対応するしかありません。

 周囲の家とデザインが似ている
建売物件は同じ建材を大量仕入れすることでコストを下げているという側面から、同じ分譲地にある他の家と似たデザインになりがちです。街全体を見ると調和が取れていて美しいともいえますが、自分らしい個性のある家に住みたいと考えている方には向かないでしょう。

③ 内部構造を知ることができない
建売物件は建設中である場合を除き、建設現場を見ることはできません。そのため、きちんと工事が行われていたのか、構造がどのようになっているのかなどを知ることができないというデメリットもあります。
内部構造は外観を見ただけでは知ることができないため、購入時には建設仕様書や住宅性能評価書などを見せてもらい、確認することをおすすめします。

④ 場所の選択肢が限定的
建売物件は、土地とセットでの販売なので、場所の選択肢が限られるという点もデメリットといえるでしょう。「この駅の徒歩圏内」などという狭い条件で探した場合、条件に合う物件が見つからない可能性があります。

モデルハウスの購入が向いている人

モデルハウスの購入に向いているのは、以下のような方でしょう。
・お得に家を購入したい
・中古でも気にならない
・家具などを揃える手間を省きたい
・気に入ったモデルハウスがある

モデルハウスは、新築であることにこだわりがなく、お得に家具付きの家を手に入れたいという方には向いているといえます。ただし、販売されるモデルハウスは限られているため、購入したいモデルハウスがあることが前提となります。

建売物件の購入が向いている人

建売物件の購入に向いているのは、以下のような方でしょう。
・予算を抑えて、新築物件に住みたい
・土地の購入や住宅の打ち合わせの手間を省きたい
・外観や間取りにこだわりがない
・新生活を早く始めたい

建売物件は、外観にこだわりがなく、手間やコストを抑えて新築物件を入手したいという方に向いているといえるでしょう。

注文住宅という選択肢も

モデルハウス、建売物件ともにしっくりこない場合、注文住宅という選択肢もあります。
注文住宅は、土地を購入して建物を建てるという手間がかかる一方で、自分の希望やこだわりを自由に詰め込むことが可能です。
建売物件に比べて高価格というイメージがありますが、実際に計算してみるとあまり変わらないということもあるので、検討してみてはいかがでしょうか。


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