注文住宅の間取りを決める際の注意点と失敗事例!

建てる際、間取りを重視される方は多いと思います。実際、その家が暮らしやすい家になるかどうかは、間取りによって決まるといっても過言ではないでしょう。
しかし、いざ間取りを決めるとなった時、「どうやって決めたらよいか分からない」「間取りを決めるポイントが分からない」という方もいらっしゃるかもしれません。
そこで今回は、注文住宅の間取りを決めるポイント、注文住宅の間取りの実例、失敗事例や注意点などについて説明したいと思います。

 

注文住宅の間取りを決めるポイント

まずは、注文住宅の間取りを決める際に決め手となるポイントについて説明します。

(1)家族構成

間取りを決める際は、家族構成から考える必要があります。
夫婦二人なのか、子どもがいるのか、子どもは何人か、二世帯かなど、家族構成によって必要となる家の広さや部屋数、水回りの設備などが変わります。
家族構成によって、間取りの枠組みは決まるといえるでしょう。

(2)ライフスタイル

間取りは、家族のライフスタイルに合わせることも大切です。
例えば、共働きの夫婦なら家事の時短が可能な間取りを考えることが大切です。また、在宅勤務をする場合はワークスペースを作る必要があるでしょう。
他にも、家族の趣味、ペット、車やバイク・自転車の所有台数などによっても、適した間取りは変わってきます。

(3)こだわりたい部分

注文住宅の最大のメリットは、こだわりたい部分にとことんこだわることができることでしょう。
機能的なアイランドキッチン、広いウォークインクローゼット、開放感のある吹き抜けリビング、坪庭を眺められるお風呂、など人によってこだわりたい部分はさまざまです。
このようなこだわりたい部分は家のコンセプトとなるケースも多いので、最初にしっかり決めておくことをおすすめします。

(4)動線

動線も間取りを考える際に外せない要素です。
生活習慣や家事の手順などによって適した動線は変わります。動線を確認する際は、間取り図に設置予定の家具を書き込んだ上で、自分たちがそこで生活した時の動きをシミュレーションしてみるとよいでしょう。

(5)土地の条件

間取りを決める際は、その前提となる土地についても考えなければなりません。
土地の大きさや形状、建ぺい率や容積率などの条件によって、建てられる家は変わります。
また、日当たりや風通りの良さも暮らしやすい家を作るためには重要なポイントです。
そのためにも、土地の向きや周囲の建物の高さを考慮した上で、家の向きや間取りを考える必要があります。

(6)予算

家を建てる前に予算をしっかり決めておくことも大切です。
予算を決めずに家を建てる方はほとんどいないかもしれませんが、注文住宅では、話を進めていくうちに最初の見積りより費用が高くなることが多いため注意が必要です。
費用が高くなる原因の一つに間取りがあります。基本的に凝った間取りにするほど費用は高くなります。予算オーバーを防ぐためには、できる限りシンプルな間取りにすることが大切です。

注文住宅の間取りの事例

「具体的な間取りのアイデアを知りたい」という方もいらっしゃるかと思いますので、注文住宅の間取りの事例をいくつか紹介します。

(1)回遊動線のある間取り

近年人気が高いのが、行き止まりのない回遊回線のある間取りです。
例えば、キッチン、ランドリールーム、物干しをぐるっと回ることができる回遊回線にすれば、家事をスムーズに行うことができるでしょう。
また、洗面所周辺に出入り口を二カ所設けて回遊回線を作れば、毎朝、家族が身支度する際にお互い邪魔にならずに済むでしょう。

(2)リビング階段の間取り

階段は廊下や玄関ホールに設置することが多いですが、最近はリビングに階段を設置するケースも増えています。
二階に行くために必ずリビングを通らなければならないことから、リビングに階段を設置すると、家族とのコミュニケーションが増えるといわれています。
また、階段が部屋のアクセントとなるため、おしゃれに見えるというメリットもあります。さらに吹き抜けと組み合わせれば、明るく開放感のある空間を演出することができるでしょう。

(3)可変性のある間取り

間取りを自在に変えることができる可変性がある間取りも最近人気があります。
例えば、リビングの一角や子ども部屋に可動間仕切りを設ける、広い空間を家具によって仕切るなどの工夫をすると、必要に応じて手軽に間取りを変えることができます。
大掛かりな工事を要さずにライフステージに合わせて間取りを変えることができる可動性のある間取りは、SDGs時代にマッチしているといえるでしょう。

(4)収納が多い間取り

注文住宅では、収納を多く作ることを希望される方も多いです。
ファミリークローゼットやパントリー、土間収納など各所に収納を作れば、掃除や片付けも楽になり、片付けが苦手な方でも常にすっきりと片付いた部屋を保ちやすくなります。
収納は、その場所で使うものを必要な分だけ収納できるような大きさにすることが大切です。生活動線や収納したいものの質量などを考慮した上で位置やサイズを決めるようにしましょう。

(5)外への広がりのある間取り

広いテラスやウッドデッキ、中庭など、家の中と外につながりがあり、外への広がりを感じさせる間取りも人気があります。
外の景色と室内に一体感を持たせることで空間を広く見せると同時に、屋内に居ながら自然の中にいるような開放的な気分を味わえることが魅力です。
庭やテラスにガーデンファニチャーを設置すれば、第二のリビングとして活用することもできるでしょう。

注文住宅の間取りで多い失敗例と対策

注文住宅の間取りでは、どのような失敗例が多いのでしょうか。注文住宅の間取りでよくある失敗例とその対策について説明します。

(1)収納が足りない・位置が悪い

収納に関する不満は、注文住宅以外でも住まいの不満としてよく聞かれるものです。
注文住宅の場合は、ご自身で収納の位置やサイズを決めることができるので、事前に自分たちの持ち物の量や使う場所を把握して必要な位置やサイズをしっかり考えておくことで、収納に関する不満を軽減できるはずです。ただし、子どもがまだ小さい場合やこれから家族が増える可能性がある場合は、将来、家族の持ち物の量が増えることを想定しておく必要があります。

(2)コンセントが足りない・位置が悪い


コンセントの数が足りない、コンセントが必要な場所にないという失敗も、注文住宅によくある典型的な失敗例といえます。
延長コードは見た目が悪いだけでなく、足を引っかける、劣化によって火災が起きるなどリスクもあるため、なるべく使わないで済むようにしたいものです。
コンセントに関する問題を生じさせないためには、新居での暮らしをできる限り具体的にシミュレーションすることが大切です。どの位置でどのくらいの数のコンセントが必要か、事前にしっかり確認して決めるようにしましょう。

(3)日当たり悪い、風通しが悪い


思ったより日当たりが悪い、風通しが悪いという失敗も珍しくありません。
家を建てる際に、日当たりを考えずに建てる方は少ないと思いますが、南向きに大きな窓を作っても、想像していたより日差しが入らなかったということもあります。
風通しについて気にされる方は少ないかもしれませんが、風通しが悪いと湿気が生じやすくカビやダニが発生しやすくなるなど、健康に関する問題が生じる可能性があります。
日当たりや風通しに関する問題を生じさせないための対策として、窓の位置や形に気を付けることが挙げられます。
風通しについては、なるべく対面に窓を設けるなど風の通り道を意識するとよいでしょう。日当たりについては、シミュレーション用のアプリを使って確認するという方法もあります。より正確に計算したい場合は、専門家に相談するとよいでしょう。

(4)音や振動が気になる


音や振動の問題も珍しくありませんが、生活の質に関わるだけでなく、ご近所トラブルにもつながりかねないため、なるべく避けたいものです。
外からの音や振動を避けるための対策としては、敷地内で隣家や道路との距離を取って家を建てることが挙げられます。間取りについては、子ども部屋やプレイルームなど音を出しそうな部屋は内側に配置するとよいでしょう。
また、音や振動の問題は、気密性や耐震性を向上させることでも対策できるので、家を建てる際は住宅性能にこだわることをおすすめします。

注文住宅の間取りを決める時の注意点

注文住宅の間取りを決める時はどのような点に注意すればよいのでしょうか。具体的な注意点について説明します。

(1)おしゃれさや流行にとらわれない


SNSや雑誌などを見るとおしゃれな間取りがたくさん載っています。「こんな間取りにしたい」と憧れる方もいらっしゃるでしょう。
しかし、その間取りは本当にあなたが生活しやすいものでしょうか。
家は鑑賞するものではなく生活の基盤となるものなので、いくらおしゃれで見栄えが良くても使いにくいと後悔することになりかねません。
間取りは建てた後に変更することが難しい部分なので、その間取りでの暮らしをしっかりとシミュレーションした上で慎重に決めるようにしましょう。

(2)長く住むことを考える


注文住宅を建てるからには、できる限り長い期間そこで暮らしたいと考える方が多いと思います。実際、最近の住宅は適時にメンテナンスを行うことで50年以上、劣化対策等級の高い長期優良住宅では75年~90年持つとされています。
しかし、そのような長い時間が経てば、当然ですが住人も歳を取り、家族構成やライフスタイルも大きく変化するでしょう。長く持つ住宅であれば、住人の変化に応じて変えていけるような工夫が必要だといえます。
例えば、以下のような工夫が挙げられます。
・子ども部屋を使わなくなった時の用途を決めておく
・2階以上の家の場合は後からエレベーターを設置できる場所を考えておく
・2階が寝室の場合は1階に移すことができるスペースを作っておく
未来に何が起きるかは誰にも分からないことですが、変化に柔軟に対応できるように工夫しておくことは、現在の安心にもつながります。

(3)家族で相談する


間取りを決める際は、必ず家族で相談するようにしましょう。
家に望むことはそれぞれ違いますが、できる限り家族全員の意見を反映して、家族全員が満足できる家を目指すことが大切です。
そのためには、まず家族全員で今住んでいる家に対する不満や「こんな家にしたい」といった希望を出し合って、理想の家について話し合う機会を持つようにしましょう。
意見が対立した場合、譲れる部分については家族の意見を尊重しましょう。どうしても譲れない部分については、情報を集めて相手を説得する、もしくは他の案を考える、第三者に意見を求めるなど、冷静に対処することが大切です。

(4)専門家のアドバイスを受ける


要望を伝えた上でハウスメーカーや設計士に間取り案を作ってもらったものの、「これで決めて本当に大丈夫なのだろうか」「どの案を選べばよいか分からない」「もっと良い間取りがあるのではないか」などと悩む方もいらっしゃるかもしれません。
そのような場合は、間取りの専門家に相談してみることをおすすめします。間取りの相談や診断を受けることができるサイトや設計事務所などによるセカンドオピニオンサービスもあります。
利益の絡まない専門家から、気付いていない問題点の指摘や新たな提案などをしてもらえば、より良い間取りを実現することができるでしょう。家は人生の中でも大きな買い物なので、少しでも迷う場合はこうしたサービスを利用してみることをおすすめします。

まとめ


今回は、注文住宅の間取りを決めるポイント、注文住宅の間取りの実例、よくある失敗例や注意点などについて説明しました。

注文住宅は、既に完成している建売やマンションと違い、間取りを自由に設定できるため、自分たちにぴったりの理想の家を作ることができます。
しかし、それだけに迷ってしまい、なかなか決まらないという方も少なくありません。また、間取り図だけでは家のイメージがわかないという方もいらっしゃるかもしれません。そんな時は、住宅展示場に行ってみてはいかがでしょうか。
住宅展示場にはさまざまな間取りのモデルハウスが展示されているので、「いいな」と思える間取りや取り入れたいアイデアを見つけられるはずです。また、実際の間取りを体感することで、どんな間取りが自分たちに合っているかイメージしやすくなります。


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